
ネット証券各社を目的別に比較
証券会社には対面式や店舗型と言われる大手・準大手の総合証券、中堅証券や地場証券、そしてネット証券と数多くの証券会社が存在し、それぞれによってサービス内容や手数料などの料金体系が異なります。
ざっくりとした違いは、総合証券は担当者が付いて様々な金融商品の提案をしてくれる(良いか悪いかは別として…)その代わり、店舗運営費や人件費などが掛かっている分手数料が高い、それに比べてネット証券はコストが抑えられるので手数料が安いといった違いがあります。
株取引は「売るとき」にも「買うとき」にもそれぞれに手数料が掛かりますので、一般的な個人投資家の場合はネット証券で取引を行うほうが断然お得と言えます。
ということで、今回はネット証券各社の特徴について比較してみたいと思いますが、個々の特徴をただ羅列するだけでは、結局どの証券会社を選んだら良いのか分かりづらい場合もあるかと思いますので、目的別に分けてそれぞれに応じたベストな証券会社をご紹介したいと思います。
目的別で証券会社を選ぶ
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少額から株取引を始めたい
株式を購入するためには、最低1,000株から、100株からなど銘柄によって「単元株数」が定められていますが、いきなり高額な取引になるのは気が引けるし、かといって全然知らない企業の株は買いたくない…。
そこで、オススメなのが「単元未満株」の取引ができる証券会社です。
単元未満株の取引では、対象となる銘柄を1株単位から売買することができます。株主になることによる議決権は得られませんが、保有株数に応じて配当金や株主優待の割当を行う銘柄もあります。
SBI証券
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SBI証券(旧名:SBIイー・トレード証券)はSBIホールディングス株式会社の子会社で、ネット証券の中でも“最大手”の証券会社です。単元未満株取引「S株」の取り扱いだけでなく、夜間取引(PTS)、高機能トレーディングツール、IPOチャレンジポイント、投信マイレージサービスなど充実したサービス内容に加え、手数料も業界最安値水準という実力・評判ともにNO.1と言えるネット証券です。 |
カブドットコム証券
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カブドットコム証券は三菱UFJフィナンシャル・グループの証券会社です。カブドットコム証券の単元未満株取引「プチ株®」は、NISA口座での取引も可能で、500円以上1円単位でプチ株®を毎月積み立てることができる「ワンコイン積立®」などの独自のサービスを提供しています。逆指値やW指値®など注文方法に関する特許も数多く取得しており、より戦略的な売買注文が可能です。 |
マネックス証券
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マネックス証券では「ワン株」という名称で単元未満株を取り扱っています。マネックス証券の公式サイトでは、どのような銘柄がよく取引されているかを確認できる「ワン株取引ランキング」が公開されています。人気の個人向け社債「マネックス債」や取引に応じて貯まる「マネックスポイント」、各種投資情報レポートやスマートフォン・タブレット対応の高機能トレーディングアプリなども充実しています。 |
デイトレードなど積極的に売買したい
短期間での売買では、なんといっても手数料の安さと瞬時に注文を出せる高機能なトレーディングツールなどを重視して証券会社を選ぶと良いと思います。
料金体系については、1日に何度も取引をするような場合は1日定額制のプランがおすすめです。デイトレードの手数料については、現物取引や信用取引、1日の約定代金の合計額などによって証券会社ごとに特徴にバラつきがありますので、投資経験や技術の上達に合わせて最適な証券会社を選択することも重要です。
ライブスター証券
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ライブスター証券は「外為オンライン」や「ひまわり証券」などを傘下に持つ(株)ISホールディングスのグループ会社です。ライブスター証券は手数料の安さにかけては業界最安値水準を誇る会社で、1日定額制のプランでは現物取引で1日の約定代金(売買)の合計額が50万円以上となる場合にはおすすめの証券会社です。信用取引の手数料も格安で、高機能トレーディングツールも口座の開設で無料で利用できるという点も魅力です。 |
IPO(新規公開株)に当選したい
IPOに当選するためには、複数の証券会社の口座を持つことは今ではほぼ常識となっています。理由は、新規上場を引き受ける証券会社(主幹事証券・幹事証券)によってIPOの配分比率が異なるからです。どの証券会社が引き受けるかは銘柄によって毎回異なりますので、あらかじめ応募窓口となる証券口座を複数保有しておくことで当選のチャンスを高めることができます。
場合によっては対面型の大手・準大手証券会社に口座を開設するといった方法も有効です。
担当の証券マンがいいアドバイスをくれることがある…かも?!
IPOオススメ証券会社
【ネット証券】
【総合証券】
空売りなど信用取引も活用したい
信用取引は株価の下落に対するリスクヘッジや、レバレッジを効かせた取引などに有効な取引方法ですが、委託保証金維持率や追証、返済期限など信用取引のリスクについて十分な知識や投資経験がない方にはおすすめできません。
信用取引口座開設の審査を無事通過した方にとっては、相場の下落局面・上昇局面に関わらず「売り」からも「買い」からも取引ができるというのは非常に強力な武器となり得ます。
松井証券
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大正7年創業という老舗のネット証券「松井証券」。松井証券のサービス「一日信用取引」は、当日中の決済なら約定代金にかかわらず手数料・金利・貸株料全て0円という驚きの料金体系となっています。また、松井証券独自のサービス「プレミアム空売り」では、株式の調達が困難な新興市場の人気銘柄も空売りすることができます。高機能トレーディングツール「ネットストック・ハイスピード」は今もなお多くのトレーダーからの支持を得ています。 |
トレーディングツールで分析したい
投資をしていく上で、財務諸表などのファンダメンタルズ分析やチャート解析などのテクニカル分析、またスクリーニング機能で銘柄を選別したり、証券アナリストレポートや会社四季報、フィスコ、Quickリサーチネットといった各種企業レポートなどで情報を集めたりすることは欠かせません。
ここでは、充実した投資情報や高機能なトレーディングツールを提供している証券会社をご紹介します。
楽天証券
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楽天証券の高機能トレーディングツール「MarketSpeed」は、「マケスピ」の通称で多くのトレーダーに愛用されています。20種類以上の分析チャートやリアルタイムランキング、ロイターや株式新聞などの速報ニュース、会社四季報や日経テレコン21など充実した機能を利用条件を満たすことで無料で利用することができます。マケスピを利用したいがために口座を開設したという人も少なくありません。 |
外国株にも投資したい
外国株式の取り扱いについては、証券会社によって投資対象にできる国や取扱銘柄数、各種手数料などが異なります。カントリーリスクや為替変動リスクなど、国内株式と比べて注意すべき点も多くなってきますので、十分な知識とリサーチが必要です。
また、ネット証券だけでなく対面式の大手証券会社も外国株式や外国株投資信託などの金融商品を多く取り扱っていますが、ネット証券よりも手数料が割高に設定されていることもありますので、投資スタイルに合わせて比較検討してみましょう。
SBI証券
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投資対象国の幅広さで選ぶならSBI証券がおすすめです。アメリカ・中国・韓国・ロシア・ベトナム・インドネシア・シンガポール・タイ・マレーシアなど、投資対象にできる国は順次拡大しています。海外ETFや米国市場に上場している各国のADRに投資するといったことも可能です。 |
マネックス証券
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マネックス証券の外国株の取り扱いについては、特に米国株に強いと言えます。米国株の取扱銘柄数は、他社と比較してみるとズバ抜けて多い約3,000銘柄となっており、将来大化けする可能性のある銘柄を発掘して先行投資するといった楽しみを味わうこともできます。全米NO.1獲得の「トレードステーション証券」と共同開発したトレーディングツールや手数料の安さも魅力です。 |
アイザワ証券
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アイザワ証券は大正7年創業の歴史ある証券会社で、特にアジア圏の外国株式の取り扱いに積極的です。中国(上海・深セン)・香港・韓国・台湾・シンガポール・タイ・マレーシア・インドネシア・フィリピン・ベトナム・イスラエル、そして米国株などの個別銘柄に投資することができます。 |
東洋証券
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“「中国株の東洋証券」と呼ばれ…(Wikipediaより)”の通り、中国株式市場に特化しているのが大正5年創業の「東洋証券」です。中国株のマーケットニュース、個別銘柄情報、ランキング情報のほか、中国株に関する濃い投資情報レポートを閲覧することができます。また、口座開設でサーチナ中国株投資情報ツール「VIP-Service」を無料で利用することができます。 |
FX・商品先物CFDなどに興味がある
外国為替証拠金取引「FX」。流行り出したのは2000年を過ぎた頃でしょうか。
当時はまだ一般的ではなかったことに加え、外国為替証拠金取引詐欺や悪徳業者の横行などがメディアに取り上げられ、「FXは怖い」というイメージを持った人も少なからずいると思います。
あれから10年以上の時が流れ、今ではようやくFXの認知度も高まり、安心して取引できる事業者も増えてきました。
もちろん、FXやCFD、先物、オプションなどそれなりのリスクがあることに変わりはありませんが、今一度リスクと向き合って真剣に始めてみようという方におすすめの証券会社をご紹介したいと思います。
DMM.com証券
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DMM.com証券はレンタルDVDの業界大手・(株)DMM.comのグループ会社です。FX取引高はGMOクリック証券と世界1位、2位を争っています。業界最狭水準のスプレッドや業界最高水準のスワップポイントが魅力的で、CFDの取り扱いもあります。取引のたびにポイントが貯まり、貯まったポイントを換金できる「取引応援ポイントサービス」も好評で、高機能トレーディングツールやスマートフォンアプリも充実しています。 |
GMOクリック証券【CFD】
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GMOクリック証券は東証1部上場企業のGMOインターネット(株)のグループ会社で、CFDの売買代金においては国内トップシェアを獲得しています。株価指数や外国株式、原油や金などを対象とした幅広いCFD取扱銘柄に加え、ブラウザ対応の高性能取引ツール「プラチナチャートCFD」なども利用することができ、ユーザー満足度も高い評価を得ている証券会社です。 |
IG証券
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世界No.1のCFD取引実績を誇るイギリスIGグループ傘下の証券会社「IG証券」。原油や金といった商品先物CFDから株価指数CFD、債券先物CFDなど取扱銘柄数は他社を圧倒する約8,000銘柄超。細かいカスタマイズや直接取引も可能な「IGチャート」やモバイルアプリ、PCの電源がOFFでも設定どおりに自動取引を執行できる「ProOrder」など機能面も充実! |
投資信託や国債などにも投資したい
投資信託や国債などを購入する際に注意しておきたいのが、手数料や元本割れのリスク、途中解約(売却)時の信託財産留保額やクローズド期間、また外貨建て債券なら為替変動リスクやカントリーリスク、発行体に対する信用リスク(デフォルトなど)、あとは税金面なども考慮しておきたいところです。
これらは「目論見書」という証券会社から渡される冊子にも記載されていますので、文字が細かくて読むのが少し大変ですが、必ず目を通しておきましょう。
投資信託は大手の総合証券や銀行も取り扱っていますが、コストを考えると、どうしてもノーロード投信(販売手数料無料の投資信託)などを多く取り扱うネット証券に軍配が上がってしまいます。
(対面式の場合は仲の良い担当営業マンがいたら、こういう募集物を買ってあげると喜ばれるかもしれませんw)
SBI証券
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ネット証券トップクラスの投信取扱本数を誇るSBI証券。ノーロードファンドも500本以上の種類が用意されています。毎月500円から積立できる積立買付ファンドや、保有残高・買付金額に応じてポイントが貯まる「投信マイレージ」など嬉しいサービスも実施しています。売り切れ御免の「SBI債」も高い人気を誇っています。 |
楽天証券
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SBI証券と並んで業界トップクラスの取扱本数・ノーロード投信本数を誇る楽天証券。「ランキング機能」や「積立シミュレーション機能」、購入前に最大100銘柄を登録して比較できる「お気に入り登録機能」など初心者向けのコンテンツが充実しています。様々な取引や保有残高に応じて貯まっていくポイントサービスも充実しており、利用すればするほどお得です。 |
フィデリティ証券(フィデリティ・ダイレクト)
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投資信託の経験がある方にとっては一度は目にしたことがあるかもしれない「フィデリティ」の投資信託。フィデリティは世界最大級の規模と運用実績を誇る独立系投資信託会社です。フィデリティの投資信託を安い手数料で購入できたり、期間限定でフィデリティの全ファンド手数料0円キャンペーンやキャッシュバックなど世界トップクラスならではのサービスが魅力です。投信メインの方にとっては、巡り巡ってフィデリティに口座を開設したという人もいるかもしれません。 |